言葉とは正反対に無責任な人ではなかった。
期待するなといっていたようなものだったが、そう言っておいて結果的に、その時に放った言葉で低く押さえ込まれたものを遥かに凌ぐ心強いサポート。物質的なものから徐々に気持ちのこもった物事へ、時間をかけて二人の日々は強固な信頼感へ。
必要な存在となっていることを実感していく過程に愛が見えるが、いかんせん華やぎのない地味ストーリー。絵も、話が地に足付けている分煽情的な展開が持てず、静かにストーリーが進行していく。
彼が腹をくくってくれて良かった、的な?、背を向けていたものから、正面を向くようになって掴んだものは、女の子なら結婚したらその先に普通に期待してしまうはずのもの。
できちゃった二人が、理想的なできちゃった婚するので、美しい話なのだがなにかもっとビジュアルなドラマを、二人の間に流れるさまを目撃したかった。