結婚を考えるとき同時に想像する子どものこと。子供が嫌いで生みたがらないとか、また生まれてもかえりみないとか、そんなのと訳が違う。ヒロインは子供が好きだし、きちんと育てることに取り組むタイプ。
彼が示してくれている好意はとても嬉しい。
でも、受け入れられない。
婚約を解消して会社をやめ、身内のところで傷心を癒そうとした。それから独りで生きていくんだと悲壮な決意をし、ヒロインは涙を拭いて前をみるつもりだった。そんな中で彼に出会ってしまう。
彼のリアクションに嘘はない様に見受けられる。
自分のことを全て受け止めてくれる彼だから、ヒロインはその胸に飛び込んで行く事が出来たのだ。
このラブストーリーでは、この男性、ヒロインへそれはそれは何度も何度もアタック。そこに、そこまでヒロインのことを愛している気持ちがわかる。意地とかではない。とてもストレートな意思表示により、真実へたどり着く。彼の粘り強さに感嘆する。
二人の接近を見て余計なことを忠告する、家政婦のおばさんの親切心が、撹乱情報を発信して不謹慎だが面白かった。
この話は、読む方も辛いところがあったから。
このテーマでは、話の流れに立ちはだかる壁をこのカップルで乗り越えるには、ひとえに彼のキャパがものを言う。その点、ヒロインに見せた熱意は全てに通じ、ストーリーの進行過程で描写されるキャラに説得力がある。彼が、彼女の躊躇を乗り越える程の実行力、前向きさ、明るさの持ち主であると判るエピソードをもって。
私は海外のこどもに金銭的援助だけおこなっているが、それでも成長は嬉しい。ヒロインたちの方法は、古典的でも、今もなお普遍的手段、幸せに暮らすその後の彼らを垣間見せてくれて、ベタではあるが安心した。
彼の持ち味はよく出ていたとはいえ、ヒロインが彼を振り切ろうとしたときの言葉は、話の前半からは、それを彼が信じることへの違和感が多少あった。