77頁のヒロインの、進むも地獄去るも地獄の苦しい胸のうちの描写で一気にロマンスにギアシフト出来ました。そこから後、エンジン全開で互いに目の前の相手しか見えないような、傍目を忘れるほど恋に夢中の二人の描写を楽しみました。HQに私が期待しているものがそこにありました。
読みはじめと、途中からとで、ヒロインの職場が移ります。結果、二人が、より接近の機会を得たことにしか意味がありません。常道の上司と秘書の変則バージョンかと密かに期待していましたから、相変わらず懲りもせず上司と部下に戻り、お定まりのオフィスラブ、そろそろ飽きてきたかなと感じていたところでした。
ヒロインが私の目には、彼とはお似合いに見えず、犬まで登場でこのままストーリーに結末まで付き合うのにはストーリーテリングがあざとい、くらいに思っていました。
元婚約者チャーリーの熱視線も、どろどろさせなくていいからもう少しストーリーにいてくれてもよかったと思います。夢に見るほどまだヒロインに残した傷は深かったので。
ヒロインが好みではなかった為か、彼ニックの相手としては、不足という気がしました。
話は取り立てて新しいところないのですが、ニックが私にはツボだったためか、二人のシーンは程よく盛り上がって楽しめました。名香智子先生のヒット作を連想させます。
二人のシーンだけでこの星数です。