父親の言い分は分かったが、言いたいことは、死後手紙に託しても遅いのだ。和解は生きているからこそ意味があるもので、いわば、捨て台詞と同じ効果という事。これは、映画や小説など虚構の世界だから 有り得て美しくも見えるが、現実でならこんな非道なことは無い。手紙を受け取った側の言い分は どこへ向ければよいのか 咆哮の矛先を見失うのだ。手紙の内容が 真実の謝罪だったとしてもこんな残酷な仕打ちを死んでまでもするのかと思うと怒りが収まらない。このシリーズ他2作が有って 続けて読むつもりだったが 怒りのままに読んでレビューが全て同じ文章になりそうで怖い。Mrキンケイドよ 御年60歳くらいなら、まだまだ現役で息子を鍛えるつもりだったかもしれないが、自らも妻に(愛に)一途であったなら、財産を目の前にぶら下げて、子供を翻弄する手段は最低だ。しかし、物語は 悪役を父親に押し立てて 子供たち自身が 自分の人生を作り出せない根性無しに 何とか機会を作る筋立てで、ヘニャチョコ具合を際立たせて サクセスストーリーよりも家族を作るほうを優先させていて、心の中にある愛情の重要性を説いてくれてあるように思う。