色々なことが国にあって、戦いの場に行った兄弟親たちの存在、国内の混乱と疲弊と不信、そして、権力欲という野望を抱いた人物との確執。
安らぎを得られる場所に於て、二人はどちらも相手のことを愛する自分を認識するが、心情を交わしあうことはなかった。
ハーレクインのなにがいいかって、こういう、ロマンチックな描写に入り込めること。感情のとてもデリケートなところを丹念に掬い取り、幼い頃の記憶をふんわりとした懐かしさ、主人公達の瞼の奥のを宝物のように、画像化させ、私をそこに立ち会わせてくれること。
空白の期間、国が大変なことになってた。
だから、やっとの思いで過ごすそれぞれの毎日があった。
あの頃を思いだし気持ちが再び通いあうことの、貴重な感じを味わった。
セットで読んだが、どの王子もお国の事情で恋愛してる余裕などないかと思いきや、そういうときこそ会ってしまう。
前提として敷かれたレールのような政略結婚を逃げ出し、愛そのものも含めてヒロインの抱える事情をよく知らない王子が、「偶然」ヒロインと。幼い頃短いときを過ごした場所で再会する。お互い大変なときに再会した「子持ち」の彼女を愛するプリンスもの王道HQ。
子供好きな男性は見て気持ちのいいもの。
HQって、我が子でなくても子供を可愛がる男性ばかりヒロインのお相手なのがホントに◎。