離婚を決意しているときはすでに衝動ではない。
簡単なことではないから、一つ一つの積み重ねで心境にたどり着き、行動となる。
でも、関係が終わったと当人が思っても、他人からはそう思われないことも想像できる。恋人関係でも、そうだろう。
ストーリーは、登場人物のときどきの考え・感じ方を表して無理のない流れ。
でも、なぜ自分を?、という疑問は浮かぶのも無理はない。タイミングがタイミングなだけに引っ掛かる。相手の状態の終わりについて、他人は確信の持ちようが無いからだ。
心の中を読み手に見せることに比重がかかった構成であるため、人物描写が多くて、温室やネパールは舞台らしく感じなかった。背景を見せるコマはあまり印象的でなかった。
「苦労なくして得るものなし。」お洒落に変身して気になる人に魅力をアピールするシーンというのはかなりのHQのお得意とするところだが、その努力を正面から捉えて価値を持たせているのが、この作品の性格。
他の心情描写と共に、感情を理性で状況説明している。
場所がどこであろうと余り関係ない進行なので人物こそは豊かな筆入れを期待してしまう。
年齢差や性別の表現が見分けにくい。特に、メイン二人が眼が一緒で、髪型と服装によって描き分けの多くを頼っているような気がする。
何となく、あっさり描かれていた印象だ。