作者あとがきにもあるように、靴の裏シーンはインパクト大。こういうアングル、映画では観たことありますが、、、。
ストーリー内にこの彼、ヒューという人物の、憎めないキャラを余すことなく描いていて、読み手にヒューへの好感度を思いきり高める作戦が効果をあげています。
自制が効かなくなりそうになっているところへ婚約解消の朗報(!?)が。
誰にも分かりやすい彼の千載一遇の大チャンス。
おしゃれだし、スタイルもいい、頭のよいことになっている(自分で言ってる)上に御曹司ときて、女に困らない彼にとっては、HQお定まりの展開。HQのなかには、モテ男設定なのにモサ男スレスレというのも散見されますが、藤田先生の作画は納得の女性キラーぶり。
生々しく描かなくても充分お互い濃い時間もあったことがわかるのが良いです、HQはそれでいいと思うので。ここはTLではないのですから。それに、ここまでセクシーに描かれると、のめり込んで昼夜分かたず、という場面で既に二人の熱さはわかります。
「数えられるほどの夜だったけれど数えられないくらいの喜びをわかちあった」
ヒロインの思いが胸に迫るシーンです。そして、総括して大切な思い出としてこれからも胸にしまうと同時に、ひとつの区切りをつけようと。
会いたい、その気持ちの表現もまたコミックの良さが滲み出て素晴らしいです。悩んでいるときのヒューの指がオーソドックスな構図ながら素敵で。
時間がないなどと急いだ風な割には緊張を全く感じさせない余裕のプロポーズで、ゴルフ友達も登場させた首尾一貫のストーリーでした。
前半にヒューには一度ヒロインの笑顔がどストライクだったようですが、わたし的には、えっそれが?、という感じで、彼が再びヒロインの笑顔を回想するところにも登場するその笑顔のほうが、まだ少し理解しやすかったです。
紙版には、扉絵に伴記された原題の綴りが誤っていましたが、電子版では斥けられていてホッとしました。