HQですからね、軸足はそこにはないとばかりに、簡単に山場が過ぎ去った。緊迫スイッチ入ったと思ったが。
その前の告白シーンも、淡々と語り、そうだったのね的な消化試合のようなプロセスで終わった。もう少し、二人の想いが互いに通じ会えた、彼ら自身が噛み締める感激や幸福感を見たかった気がした。
騒動を引き起こした者には昔からどこの国でも厳しかった(背景に立ち上がらざるを得なかった、切羽詰まった深い事情があったとしても)歴史があるが、暴動に加担した連中の背後の窮状への救済という、物語のもうひとつの視点を通じて、何らか軽減されるだろう期待がある。
しかし、なぜそこに女?、男だろう時代からすると。
そして、なぜバルコニーが? 、数ヶ月前ま住んでいた所だろう、ありえるのか。
いくらお金を積んで人を使ったところで、一人でそこまであれこれ動けるとは思えなかった。ましてその他に先行して働いた不正も、いかにして?役人でもしてたのか?説明はなし。
もやもやとスッキリしないまま、そのうえロマンスのほう、二人はやきもちを告白にすり替えて、疑念を晴らしあわなかった。形式でもお互い口で否定の言葉をもらわなくていいの?
不穏な空気、時代背景、はこれで片付いた訳じゃない。捉えられた人がいるとかいないとかだけ?
お家問題を広げちゃっただけで、ハイチャンチャン、ね。となんだか、子どもだましが混ざった印象。
殺人未遂や放火扇動、悪事の度も過ぎて、しかし、それだって事情があるという作り方かもしれないが、受けた被害は経済的損害だけみても甚大で、その他のHQの「誤解」「名誉毀損」レベルと比べ物にならないと思うが?
末筆にひとつ、あとがきを読んで。
私は鎌倉の海岸を根城とするトンビ1羽に、手にしていたバウムクーヘンを急襲されて奪われた。知人は別の浜辺でバーベキューの食材が狙われた。娘は保育園のお散歩で、私の作ったお弁当をカラスが付け狙って来て大変だったと、保母さんからきいたことがある。
暴挙襲撃の類いは人間だけがするものではないのだ。話の筋とは無関係だけれど。