物語の序盤は、独りぼっちになったヒロインカトリーナの生活と人生を、自らの事と同等に 心配してくれる人がいない事が悲しく、その為に虚勢を張る彼女が痛々しい。まあ、そういったモロモロを ヒーローサイモンが引き受ける展開なのは言うまでもないが。30代前半位に見え、医師としても権威有るヒーローが、10代の少年よろしくカトリーナを追いかけている原動力は「恋」のそれをあからさまな程に伝えていてトキメキます。25歳とはいえ、田舎娘であることを自負し1歩引いている様子も悲しくは有るけれど、一貫してサイモンが一途に手を差し伸べ続けているところも安定した心地よさを感じます。それでも、傷ついたカトリーナが別れを告げた時のP107の場面で「そうかー振られたーわけだ」のセリフには、目頭が熱くなりました。「あなたのために、相応しい女性に変わるよう努力するから」というカトリーナの告白に「君が無理をしたら、それは君じゃない。今のままの君が好きなんだ」と答えるサイモンに、私の好みではなかったのに ホレちゃいます。