唯一の肉親である弟オリーを事故で亡くしたヴィート。その加害者とされたのがオリーの親友で知人の女性アヴァだったことがヴィートの憎しみの咆哮を塞いでしまうことになり、その苦悩は計り知れない。それでも、受刑者社会復帰支援活動をするヴィートは素晴らしすぎる。只のお人よしか?ヴィートがアヴァを受け入れることができたのは、兄弟仲が良かったこととHQならではのアヴァが魅力的な女性だったからではありますが・・・。作中に秘書カレンの嫉妬からアヴァへの嫌がらせをしたように見せているところは社会復帰が難しい現実を見せられた気がしてため息が出ます。謎解きに至っては、真実を知る証人が被害者側の関係者であることから、ヴィートが動かなければ表には出てこなかった証言であることに脱力感を覚えます。冤罪を生んだ最悪な家庭環境が一転して無実をも勝ち取るという結果だが、それは偏にアヴァの前向きで誠実な人柄とHQのなせる業だろう。とはいえ、アヴァの無実が証明されても、母が犯人であるからには悲しみは止まらないのである。この物語の良いところはHQだからハッピーエンドで終わるところであるが、それで諸々の留飲を下げる事としよう。