☆は4つと迷った。人物以外が隙間ガラガラで、肝心の人物も薄く白っぽい。男性が見るからに幼く頼りない。二人の組合わせは、話の設定上の職業を伝えられても、人前で話をすることがその職業必須で、多数の聞き手を前に、自分の言いたいことを理解してもらう、そういう人物には見えない。コマの大きさがスマホでは耐えられるが、私が本来読みたいサイズでは間延び感はあったろうと残念。(曜名先生ファンには申し訳ありません。)
しかし、二人とも頑張り屋と話では紹介があり、友達同士のサラリとした間柄の居心地よさは、よく伝わる。二人の草食系っぽさがまたなんとなく、ここから一体いつ、どう友達以上になるのか、という期待を生む。
定番の看病シーンはそこまで淡白さを打ち破れなかった。
その前のパーティシーンで一歩歩み寄った感もあったが自制心強く。
そんな、なかなか入り口で踏み込みへの思い切りがない中で、念願のキャリアの一里塚へ。
お話の世界のこととは言え、羨ましい。
ひと昔以上前日本は、退場を迫られることが多くて、社会がそれを暗黙の強制をしたし、女性を含めた周囲も女性の下車を望んでた。いつも女性が引かなくてはならず、元から応援者不在だった。
アメリカはそれでも「翔んだ」女性が道を作って社会が容認していたと考えられていたのに、こと男女の小単位となれば、別れ話がそれを理由に成立するほど、環境がまだまだだったとは。
そんな、男性の都合に合わせて生きることを求められがちな女性が、自分の人生は自分で切り開くために、恋愛を捨ててキャリアを優先。彼の態度にも共感。
この話は、どっちが大事なのか、といった次元の話ではない。
私も「近頃の女は結婚しても会社をやめず厚かましい」と言われた過去を思い出す。ヒロインは優秀な研究者の設定なので、折角築き上げて来て今さら夢を捨てられない、との構図で、この決着は、私的には心の何処かに引っかかるものはある。優秀でないと現役続行を望んではダメなのか、というのはこれは解消されてはいないのだ。
お姉さまそれぞれ強烈な存在を誇っているのに、その姉達が介入しているのに、その忠告は軽く受け流され二人の関係には影響を与えていないのが、楽しい。
二人の人格形成を決定付けた、二人それぞれの母親の生き方、それが女性を巡る生き方の小さなカタログのようで、実は啓発と示唆に富むストーリーだなと感心した。