ステージ恐怖症は、演劇もの《狩野真央先生「誘惑のプレリュード」》でHQにあってよく描けていた。これは乗り越えるのに違うアプローチだし、症状の現れたタイミングも違う。しかし克服まで生易しくはない、というところはこちらの方がプロセスにガブリ取り組んだ描写。プロというのは大変だとつくづく。
星は4.5で端数切り上げで5扱いのつもり。
描き込みが細かいところとそうでもないところと混在し、頁一杯を使う大きなコマ多用で、絵として美しいのはいいけれども、ストーリーの一時停止状態が増えてしまった。
ヒロインの音楽との関わり、国王の亡き后との音楽の思い出、恐怖症という小さくなかった壁をヒロインが乗り越える為の格闘の日々、色々とユニークで綺麗なストーリー展開で良かった。
王家の鉄則が厳しく立ちはだかると覚悟したが、音楽の持つパワーはより高いところにあり、国王ご不問に付した。
髪型、顔の輪郭、体型、もう少し若い世代の人物間に細かい描き分けあると嬉しい。