そんなに簡単に新しい人を好きになんてなれない。他の人をそこまで好きになれない。
シンプルに真っ直ぐ軽くて明るくて、そして、好きな人と過ごす嬉しさ楽しさが溢れている、どこをとってもロマンス成分を構成する基本要素で直球勝負のラブストーリー。
けれどこの話、ヒロインはきちんと夢叶えて仕事をきっちりこなす前を向いている女の子。彼の前で虚勢を張っても、彼のほうはヒロインを構う構う。丸ごと互いに受け止めあってからは恋人どうしの描写も悪くない。
先の読める展開もあるが、公爵家が物凄い割には結局さばけた人たち。
深刻ぶらず、ひねくれず、自由度高めの空気で、ポジティブ感情一杯もらった。
シリーズ三部作いずれも話はかわいらしい。
ステンドグラスがそれぞれのヒロインのバックで精巧な柄で美しく着色されて、その細かさに感嘆。
「あなたに捧げた想いが全てよ」
読み終わって、素直に、良かったなぁという気持ちにさせてくれる。作者が二人に意地悪(試練という名の)せず、ほほえましく可愛らしいプロセスを用意して迎えた屈託のない結末だ。