星はもう1つ少ない所と迷った。今もまだ揺れている。読み直しているうちに確定出来るか?わからない。(追記:二度目の今も迷っている。)
長崎真央子先生の絵柄の魅力は人物画にあると思っているが、それでもこれは顔ばっかりの印象少し強い。なんとなく少し手荒な仕上がりを感じる。しかも、目元(19頁など)はヒロインのはどこか別の先生の作品で見たことのある感じ、一方彼のは瞳の中がもうひとつ。もっと読んでいるときに吸い込まれたかった。なのでここまで相対的に二人の顔アップ多いと、寧ろこちらが冷静に眺めてしまう。それに、特徴的な作風でわかるのだけれども、キアラもニコも、顔が角度変わると少々不安定な感じがする。
クライマックスまで心情吐露を引っ張るせいとしても、読み手のこちらを最後まではやって頁をめくらせる程度には、彼に生じる何らかのアクセントを、ビジュアルで欲しかった。彼の心を知らずにヒロインが一人合点するタイプの話には、どうせハピエン、との前提で読むハーレクインの読み手を乗せにくい。ヒロイン視点のこだわりだけのことと感じ勝ち、どこか共感が薄くなる。彼が笑顔を見せたり言葉が優しかったりの画面が、もしかして本心?という、彼ももしかしたら案外気持ちあり?、との匂わせの効果的な見せ場が有ればいいのに。そこがないから、ギリギリでニコがやっと伝えることに対して信じられない、という反応をされてしまう。
そこからの、彼女の納得まで意外に容易に落ちたな、と思うのだが?
人物画の配分が多く、背景の絵が薄味で物足りない。
しかも、ベッドシーンの二人の絵に情緒が足りない。
104-105頁、あれで二頁食ってしまうのは、安くないHQ価格からすると勿体なくてしょうがない。
ストーリーは、冷たく見えたけれどヒロインを彼はちゃんと愛せてた話。
ヒロインは外の世界を知らない箱入り娘設定、実体験には勝らずとも、インターネットというツールである程度調べていた。それなのに通販すらしなかったのか?箱入りはいいけれど、買い物出来ないとなれば、家族からの愛を通り越して座敷(という牢獄)閉じ込めのようなもの。
彼が迎えに来たシーン、さらりと描かれて心理描写はなし。作者の意図がそこにあるかもだが、どうもリアリティから遠ざかっている様に感じる。
これ迄抑制気味の彼の描写、告白シーンこそは少しは彼の内面を視覚化するコマが欲しかった。