あとは外側を磨けばあなたは無敵の女になれるわ、と言って彼のお母さんミランダのプロデュースで、ヒロインは見た目も、そして社交術の土台作り?も装備出来た。これで自信を持って人と接するように。
ミランダとニコの話はハーレクインぽいドラマを経てきたと思わせる反面、ヒロインキャシーとジョエル、メイン二人のほうは、途中の歩みかたに情が通い合っていく納得感が少なかった。
彼ジョエルのビジュアルが安定していないように見える。
ストーリーの面白さありつつ、コメディ色の顔や姿の可愛らしさなど、全般的に絵にも意外な魅力多いため楽しく読めるが、ときどき進行には無理を感じた。レストランに駆けつけてそこでいきなりその展開? とか。ピーター突入とか。キャシーを城に籠らせる流れが、ジョエル幼少期の境遇と母ミランダとの母子確執を描くために用意したように感じて、少々不自然に感じた。会社経営云々も、ヒロインは凄いのよ、というただの道具立てにされただけか、と思えてくる。
ピーターとの絡みの急転回ぶり、そしてジョエルがヒロインのことお見通し設定というのもまた、どうも作り話臭がした。
母子確執の円満解決プロセスはもっとページが欲しい気がしてしまった。一方で、ベッドでの会話の分量が相対的に多く、また、彼がヒロインを気に入っているとの描写が説明的であった。漫画なので視覚化でそこは、和解と愛情を前面に出していいような気がする。
ミランダとニコの話はジョエルが信じられるかどうか、そこが無いだけに、「わかっているはずよ。ミランダにも事情があってしかたなく云々」がフォローしているにしても、なんとなくずっと頑なだった姿とバランス取れたと思い辛い。孤独だった彼と、キャシーやミランダ、そしてミランダの家族との交流を知った後の彼、しっかり見比べ、見届けたかった。