出会いは偶然の重なりの産物。父が、おばが、弟が、この出会いを間接的に演出した。
彼とのことと、バレエのこととは別々。でも、ヒロインのバレエに対する思いが二つを繋ぐ。
「遊び人」の父親、企業グループを統べる祖父。旅先のことをフォロー出来てる意外に確かな結び付き。
また、バレエに一生関わりたいヒロインに、その希望を砕く父親。
二人の家庭事情に触れながら、何か転機があったわけでもなくそれぞれ終盤好転って、「実は」というくだりがどうもなぁなぁに終わってる。過去の描写あるだけに、切り換わったところないと、それはそういうことだったの?という合点がいかないし、または匂わせ描写がチラでも用意されないと。
バレエもタンゴもポーズは美的には満足だが、ブツブツ断片的で終わってる。ソフィアはアートでマジックなんだ、というときの彼の顔が老けている。
引かれ会う二人に弟クンだけが気づく、というのはお話っぽくてリアリティーはなかった。
相手の思いの方を正しく計れないとしても、自分の気持ちに対するそういう鈍感さ、成熟した大人があり得ないと思う。