人に完全無欠はあり得ないのだろう。
メインキャラはどちらもそれぞれに戦地で精一杯自分の役目を全うしようとしたが、戦地へ行って何事もなく帰還することは難しかった。
しかし自暴自棄になろうと、他人の目や噂に傷つこうとも、日々を生きていかねばならない。それはどんなに辛いことだろう。影にいかなる事情があろうと、人は表面的に捉えてしまいがち。無責任な断罪。それが更に戦場帰りの傷ついた心身を傷つけている。
彼の身を案じたおばさまの器の大きさには目を見張るものがあった。
ヒヤッとする事件の、その背景にあったことがちゃんと発覚して良かったよね、と、なるが、突然登場の彼への彼女の気軽な親近感、簡単に信じさせすぎている点には少々引っ掛かりを覚えた。