決して順風満帆ではない。恵まれている様に見えて、内実いろいろあるものだ、ということを説話として呈示された感じ。
楽して遊び暮らしてる訳ばかりではない。経営能力が前提として必要とされている、と、伝えもしている。
優雅に大人の人付き合いが出来るとも言い切れない社交界。良家の子女の中に、ルールがキツくてはみ出し者に不寛容、真実ではないキツイ噂が飛び交うその社会に、居心地の悪さを覚える者が居るのだ、ということも貴族社会の難しさとして描写。
ヒロイン自体大変だった訳だし、彼も難しいポジションだった。
ハーレクインは幸せを掴む話。
この組み合わせは互いに本当に良かったね、と、一見の堂々巡り?を振り返り、居るべき場所に収まりあった二人に新たなグッドスタートを切らせる。
双方のお母様も、間接直接に子ども達には無用な災難も与えたし、二人の周囲に性根の宜しくない輩がぼちぼち。棚ぼたの事にも当初は困難があるしで、幾らでも障害は現れたが、克服していく頼もしさがこの二人の結びつきには有るだろうと予感させて、読み終わる。
噂というものの恐ろしさは、昔も今も人間ってどうしてこう…、という作者の気持ちがタップリ入っていた気がする。