社会人ものもあり、学生ものもあり、各カップルのその後もちょっぴり見られる。百合漫画短編集としてパーフェクトな福利厚生を誇る名著だと思います。
女性同士が惹かれ合う心の機微への解像度が至高の域で、全編通してややほろ苦めな恋心が繊細に描かれていくのが非常に通好みでした。
どのキャラクターもどのエピソードも愛せざるをえない。
皆んなどうか幸せになってね……!
雁須磨子先生の他作品同様、言葉選びと台詞運びが詩的でありつつ示唆に富み、かと言ってお約束的(装置的)でない。「生きている」人間のそれなのが素晴らしいです。
本当に大好きな短編集。雁須磨子先生には是非また女性同士の恋愛物を描いていただきたい……気が向いたらでいいので。
どの作品からも根底に女性への愛を感じるので、いつまでも推し続けたくなる作家さんです。