男子がイケメンに見える作品が増えだした頃、という感じ。どこに進んでいくのか見えない予想外の展開をするのが、豊かな才能を感じさせられる。
また、読み手に想像させないための波乱の投入惜しげもなくて、それこそ、ひかわ先生は余裕、という感じで、収拾がつかなくなるようなまとまりを付けないへまは見事なまでにしてない。ばんばん新規展開がありながら力(技?)で話が収斂するからすごい。
キャラ紹介がちょっと作為的なのが気になると言えば気になる。が、そこが巧みともいえる点でもある。関係性を説明的にしないように台詞に落とし込むも、そこはリアルな日常会話ではなくなり、xxxの〇〇さん、という感じのやはり少し不自然さ残る。
言葉遊びもそこまで畳みかけられると、しかも何回も、となると、さすがに付き合いきれなくなってくるが、そこを面白がれる人もきっと多いことと思う。
筆が乗ってる、と言ったらいいのか、油の乗った時期というのか、読んでいて苦しまずに(実際は作り出す苦労はされているとは思うものの)制作している感じがして、ビジュアルも安定感あり、頁をめくるのが楽しい。
初期作品より次第に男子がイケメンになってきたと感じるとはいえ、たとえば悟と佐久間先輩など、作中でも誰かにそう語らせてはていたが、紛らわしくしている。それも声のことだとか、ミスリードが意図的、みたいなのは、物語の構成上の工夫でもあろうが、読み手の関心を繋ぐ前に、翻弄しすぎているきらいがしないでもない。実は・・という隠した真相のばらし方も、話作り優先で、わざととっておいた感がちょっと不自然には受け取れた。
女の子は余裕:平成2年ララ4月号、
男の子も余裕:平成2年ララ8,10月号
また明日:平成3年ララ3月号、
ちょっとフライデイ:昭和56-57年