火遊びはこれからと、ヒロインロザリンドからは気持ちが放射されているように読める冒頭。言葉で拒絶しても 同じ言葉で挑発もする。情熱を諦めていると言いながらも、経験した情熱以上の情熱を欲しているように見えてくるのだ。これは、言い換えると欲求不満(笑)妹のスキャンダルを世間一般の常識で精査しても、不利益と利益の天秤は本人にしか見えぬもの。たとえ姉妹でも。そういった諸々の理不尽に沸き起こる感情を、以前の恋愛に重ねて憤り フラストレーションをヒーローサムに向けて放つ彼女が、痛々しいよりも 残念な女 に見えてしまってつまらない。サムの精神力の強さが際立つけれど、痛々しさはこちらにある。映画制作の舞台裏を人間関係を生々しく見せられた気がして、夢もなにも無いというところだが、まあこれが社会の図式にも見えて ため息が出る。2人のすれ違いも少々事象が不自然で わだかまりが残る。彼の人生にも誠意と努力で対処したにも関わらず実らなかったことには辛かっただろうとこちらも苦しいが、時を経て、彼の行為は実を結んでいた。ここまでは物足りない残念さを感じていたが、エンディングだけは好きだ。彼女が医師であることが、ベンの体を気遣い もしもに備えることが出来る自信の表れのようにも見え、これが彼女の本来の姿だと思えたから。