「ずっと耐えて、ずっと闘ってきたのでしょう あなたは強いのよショーン」「あなたは優しさと あたたかさと愛を受け取る資格があるのよ」このシーンは涙なくして読むことができません。読み終えて一番に思う事、それはリジーの健気さに頭が下がる思いです。ショーンのトラウマが2巻にわたって解消されずこれからというところにはリアル感がありハッピーな予感を漂わせて終わっていてこれも気持ちよい印象です。HQには無理無理ハッピーエンドに持っていく流れみたいなお約束があるから異色な感じが好感度を上げているのかもしれませんが。2巻という量のせいで、二人の関係が浮上しては叩き落されていくことの繰り返しに少々ダレ感はあっても、リアル感のある事象がそれを忘れさせてくれていて説得力を伴ってまとまっていると感じました。ショーン三兄弟のような子供が日本社会にも増えているという昨今で、確かな愛情に出会い癒されて人生を送ることができるという希望を与えてくれる一冊となることを希望します。