このレビューはネタバレを含みます▼
いくら騙されていたとはいえ、ダモンのヒロインへの態度には腹が立ちました。 彼の子供を育てていたことにも感謝の言葉もなく(彼は気づかなかったですが経済的に恵まれない状態での子育てはとても大変です)、ひたすらヒロインを守銭奴の裏切り者として蔑むばかり。 そのくせ子供には両親が必要だという一般論を偉そうに掲げて結婚の強要、実に腹立たしいです。 母親を蔑む父親など子供の情操教育に百害あって一利なしだと思います。 父親に反発して父親を嫌うようになるか父親に同調して母親を軽蔑するようになるか。 世の中には血のつながった親でもいない方がいい場合も残念ながらあるものです。 結婚したなら少しは歩み寄って良好な関係を目指すべきだと思うのに、ことあるごとにヒロインの罪を言い立てて非難し侮蔑する、本当に嫌な感じです。 ヒロインは父親が指定した日時に彼とデートしていただけで、父親が何をたくらんでいるかは知らなかったようですし、デートだって人質を取られていやいや従っていただけで、父親に加担したと言えなくもないですがほぼ無実といえるでしょう。 その辺の事情を知らなかったとはいえ、ダモンは自分の事業を卑怯な手で奪ったヒロイン父の言うこと(ヒロインは共犯で金のためなら何でもする、みたいな)はあっさり信じたのにヒロインの言い分は聞こうとさえしない大馬鹿です。 再会の場面でも、ヒロインの住居が質素と言うか貧しい様子なのに、父親の金で贅沢三昧しているという思い込みに疑問さえ持ちませんでした。 いつどういう風に真実が明らかになるか予想したりして楽しみに読んでいました。 父親の自慢話的な暴露を立ち聞きというのはやや安易かなと思いましたが、一番事情を知る者の言うことで間違いが無くて良いとも思いました。 自分の悪事を自慢したがるタイプっているそうですし。 ヒロインはとにかく神経をすり減らす辛い日々でしたが、最後にはきっちり謝ってもらって子供が物心つかないうちに和解できたので良かったです。 ・・・ヒロインは悪い人では無かったですが、敵である父親の所有する家に住んでいて家賃を滞納していたのはゆるすぎたと思います。 家賃の件で父親がまた無理無体を言ってくる可能性があるとか思わなかったんでしょうか? タイトルは彼氏視点のようですが、真実は「犯していない罪を贖わされる花嫁」だと思いました。