このレビューはネタバレを含みます▼
ヒロインがとてもかわいそうな目に遭っています。 コミックより小説の方が可哀相な気がしました。 会いに行った相手に合意の色仕掛けと誤解され弄ばれた上に話を聞いてもらえず妊娠までして、父の会社が救えなかったため父にも嫌われ続け、会社の倒産と父の病気で貧困に陥り、自分も体調不良でソーシャルワーカーには薬物中毒と誤解され子供を取り上げられそうになり、車に撥ねられて重傷を負い、そして自分を弄んで捨てた（ヒロイン視点）男に子供を取られそうに・・・と不幸のオンパレードでした。
ただ、ヒロインにも問題があった気がします。 大切な用事があったのになし崩しに抱かれるとか、無責任というか、流され易過ぎでは？ 自分を嫌う父親を病院に預けずに自宅で面倒を見たり、子供を預けるのが嫌で働かずに生活保護（的な？）を受けたり。 家族と離れるのを嫌がりすぎて、依存症的に感じられました。
ソーシャルワーカーは嫌な感じでしたが、ヒロインのそういう態度から過去に関わった多くのダメな女性と同じだと思ったとしても仕方がなかった気がします。
アレクシスが女性不信なのは理由がありましたが、なぜヒロインを妊娠させたのかが分かりません。 他の女性にはちゃんと避妊していたようで、「DNA鑑定で黙らせる」とあったのに、ヒロインだけ避妊しなかったのか失敗したのか何も書いてある所が見つかりませんでした。 そして最初のうちヒロインを金目当てと決めつけ、他の可能性を考えもしないのはあんまりでした。
衰弱したヒロインを責めたり怒らせて何度も倒れさせるとか、なかなかの所業で、もっとヒロインの容態を悪化させて後悔して欲しいと思ってしまいました。
捨てられたと思うヒロインと金目当てと思うアレクシス、見事な相互不信・相互嫌悪・相互（？）誤解からスタートした同居、読者としてはこういう緊張関係がワクワクハラハラです。
知らなかったとはいえ、ヒロインの父の会社をつぶして貧困に陥れヒロインも過労で体を壊すまで追い詰めた原因になったと知った彼の気持ちをもっと書いて落ち込んで欲しかったです。
そしてヒロインを信用してよいのか試したせいで、信用できるとわかった代わりにヒロインからの信用を完全に失い忌み嫌われる彼氏。 読む分にはとても楽しい展開でした。 終盤ぎりぎりまで嫌われ続け、最後でやっと和解・ハピエン、お疲れさまでした！！
レビューを書く
レビューをシェアしよう！
ERR_MNG