このレビューはネタバレを含みます▼
今作の彼は最後近くまで最低と言っていいひどさでした。本当は無実のヒロインを敵認定して拉致したり非難し続けます。知らなかったとはいえ妊娠しているヒロインを丸二日も連れ回し強行軍で疲労させたり、ヒロインが彼の敵の一味であると思える根拠は一応あったものの、妄想が進みすぎて敵の男の愛人だと決めつけて恋人から奪ってやるとかヒロインに騙されたから仕返しだとか訳のわからないことでほぼ拉致KANKINして何を言っても信じなくていつまでも嘘つき呼ばわりして非難しまくって・・・心身ともに疲れ果てるヒロインが気の毒でなりません。しかもその後ヒロインと結婚を考え始めたのに、彼女が仇と血縁であると知ったら結婚できないと言い出したり、ヒロインの人物を見ずに、彼女がまともに話をしたこともない連中と十把一絡げに敵認定ってKICHIKU米英かよ!と思いました。結局敵の仲間だと思って懲らしめようとしたヒロインは彼と同じ、敵の被害者だったのだから酷い話です。ヒロインは信じていたホテルの関係者からも裏切られ財産を失ったのに彼からはそいつらの仲間扱いされて責められ、踏んだり蹴ったりです。・・・と本当にヒロインが酷い目に遭う話でしたが、男性側の葛藤などもあって読者的にはそれなりに楽しめました。酷い目にあっても凛として立ち向かうヒロインが魅力的でした。