このレビューはネタバレを含みます▼
彼氏に憎まれるパターンは時々ありますが、ハーレクインには珍しくヒロインの自業自得な部分があったと思います。 なんであそこで婚約してるって言わなかったのかなー・・・でも女心ってそういうものだろうし、あそこまで大ごとになるなんて普通思わないしなー・・・。 皮肉な運命のめぐりあわせでマッシモの憎んでいる男と結婚してしまったニッキ。劇的展開でした。
読者としてはマッシモにいくつか不満があります。 ニッキが、「弟がいて両親は離婚していない」と言っただけで「両親に愛されて幸せに育った」と思い込んだあたり、想像力や一般知識の貧困さに腹が立ちました。 自分が不幸な目に遭ったから他の人間はみんな幸福に見えるという心理でしょうか? 金持ちと結婚する女はみんな贅沢好きの金の亡者だと決めつけたり、どうにも浅いと言うか頭の固い男だと思えます。 少し見ていればヒロインが自分の贅沢のために金品を要求したりしていないのはすぐにわかったはずなのに、復讐に囚われて回りが見えてない困ったちゃんですね。
ヒロインの方は、あれだけお金の必要な状態だったのに病気の夫と弁護士任せで自分で何も管理していなかったとかゆるすぎないかと思いました。金銭管理の苦手な人だったんでしょうか?その結果莫大な負債を負わされ、普通なら相続放棄もできた(外国の法律はわかりませんが)でしょうが、弟のためのお金がいるのでマッシモの言いなりになる条件を飲まざるを得ないという事態に陥ってしまいました。
弟が亡くなった後、1年か2年くらいヒロインが行方不明になってマッシモが苦しめば良かったのにと思いました。 そうでないと実際には彼の何倍もつらい思いをしてきたヒロインと釣り合いが取れない気がします。
ヒロインが浮気しまくっていると嘘を広めた弁護士は背任で首になりましたが、噂がどうなったのか書いてなかったのが心残りです。