ネタバレ・感想あり籠の中の貴婦人のレビュー

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クズ中のクズ王
ネタバレ
2019年8月2日
このレビューはネタバレを含みます▼ 後の書物や映画の中で、必ず悪者として登場するジョン欠地王。物語はこの無能な男の失政のせいで、フランスにあった領土をほとんど失ってしまったところから始まります。敵地に置き去りにされた形のヒーローたち。忠誠心を捧げる価値もない。悪役である反逆者たちだって、結局はこの王じゃダメだから、取り除こうとしているわけで、よっぽど人望が無かったのでしょうね。「せめて王の力を制限できる方法があればいいのに」とヒロインがぼやいたのは、この十年後、マグナ・カルタが制定されることを指すと思われます。ヒーローとヒロインはそれまで無事、生き延びられたのかなあ。
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中世物のなかでは秀逸
2021年10月2日
中世って、なかなか良いお話に出会えない。ヒーローが傲慢すぎるか、ヒロインが頑なすぎるかして、感情移入が難しかったりするので。でもこのお話は、再読できるかな。

このお話のヒーロー、ヒロインも頑なだけど、その背景が納得できるし、誠実なので、まぁ赦せる。それに、これだけ混迷を極めた時代で、それでも愛し愛されて結婚した人もいたはずと思えることは、幸せなことだな、と思う。

ジョン王は確かにはひど過ぎるけど、脇役(伯爵)が言う通り、ダメな奴でもそれ以外に王になれる人はいないし、国中を戦争に巻き込むよりは、いないよりいた方がいい、というのは納得できる。

当時の宮廷での駆け引きとか、歴史が垣間見えて興味深かった!
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ちょっと完璧すぎる二人
ネタバレ
2018年9月2日
このレビューはネタバレを含みます▼ 舞台は中世イングランド、ほんとにいた歴史上人物であるジョン王の治世での物語です。

ヒロインは自立心旺盛な美人で貴族社交界の陰謀術数を上手に渡り歩く才女で独身主義者です。
美人すぎて男たちからは目をつけられ、女たちからは嫉妬され、でも大丈夫、ちゃんと性格の良い女友達もいる!完璧ヒロイン。現代でいうキャリアウーマン系です。

ヒーローはイケメン体育会系の騎士で、ダメ王に忠誠を誓ったばかりに貧乏くじを引いて死にそうな目にあったというのに、ジョン王を憎みながらも生真面目に従ってるエリートサラリーマンみたいな人物です。

お互いに好印象を抱いた出会いがありその後、偶然に暗殺者たちの会話を聞いてしまったところから二人は急接近。
脇役のラブストーリーもちょこちょこ平行していきます。

ジョン王が最低の上司すぎてオイオイ、お前のためだろってなりました。
意外なところで意外な人物登場。そこから暗殺者の謎が解けていきます。

ヒーロー、ヒロインがあまりにも完璧すぎてちょっとつまんないな~と思ってしまいました。
デキる最強カップルって感じでしょうか。
しっかり者の長女タイプと、猪突猛進な体育会系イケメンのお話しが好きな人にはいいかもしれません。
濡れ場もあり、ヒロイン処女なのにすんなりいくなあという違和感がちょっとありましたが、最終的にはハピエンで良かったです。
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