全5巻+スピンオフ2巻。元ヤクザの組長で今は不動産会社社長の尾崎×バーテンダー如月。幼い頃の強烈なトラウマで人間が"もの"にしか見えない如月が悲しい。ある日、尾崎が敵対する相手に命を狙われ死の淵から蘇るのを見て、唯一尾崎だけが"もの"ではなく"ひと"として認識する人間になり……。
尾崎の特別になりたいと思いながら、気持ちを抑えきれず離れる選択をする如月。少しずつ独占欲や嫉妬・恐怖等様々な感情を取り戻す過程が苦しくありながら面白い。
いつもは懐の深い尾崎の無理やりな致し方は残念。しかし壊れている如月を何とか治したい。また如月にとっての尾崎が一人の中の唯一の人ではなく、大勢の中の唯一の人になりたい。そう思う尾崎の気持ちが伝わってきました。
子供っぽくちょっかいをかける尾崎とツンツン対応をする如月のやり取りを始め、切なさや健気さもあって良かったです。