広い屋敷と体の渇きを持て余した女、それと屋敷の執事兼用人の高齢の男。他の作品にも同様のシチュエーションがあったが、本作の読後感は妙な言い方だが、ホッとした、というものである。「女主人」では、老いた男の下半身の描写がでてきて「勘弁してくれ」というかそけき悲鳴を内心上げたものだが、こちらはその展開に至らず、それどころか男女の営みも、ない。ヒロインは25歳の社長夫人。夫以外の異性経験がないまま結婚し、そのためか、ウブさを残しつつ夫婦生活を送っていた。その夫が長期出張で家を空け、夜間は家政婦も帰宅しヒロインと執事の男のみ。淋しさのせいかヒロインは就寝できず、執事を自分の寝室に呼び部屋を同じくして眠ろうとするところから事態は発展し・・・。半分ネタばらしになってしまうかも知れないが、執事はヒロインにこれまで経験のない、オナ二ーの仕方を教え込んでいく。ヒロインの夫の予期せぬタイミングでの帰宅を気にする執事の心理描写は少々くどいか。反面、ヒロインのネグリジェからヘアが透けるという記述はグッとそそられた。