私の好みでとても良かったです。記憶喪失の受けが攻めに庇護される…という始まりですが受けを取り巻く環境の謎やハッキリしないおぼつかなさが独特の不協和音を響かせています。推理サスペンス風の心理ドラマに引き込まれました。わかりやすい囲われもの、ラブラブな新婚もの、みんなが幸せな大団円ハピエンを期待する人には向きませんが「後味の悪さのあるストーリー、ビターエンド」が好きな方にはすごくおすすめです。現代物ではないので、時代情緒ある設定や読みやすい文体、ミステリアスな受けと攻め、という全体的な要素もとても素晴らしかったです。