このレビューはネタバレを含みます▼
北九州で起きた連続殺害事件を元にしたお話ですが、登場人物や内容、結末は違うのでまた違った怖さを味わうことができる作品です。
その凄惨さから新聞やテレビもあまり報じなかったこの事件。それが元になっているだけあって、読んでいて痛々しいし、喉元にこみ上げてくるような気持ち悪さがあります。そしてムシャクシャするほどに人を洗脳する、もはやカリスマと呼んでも良いような主犯の男。
本作品は主犯の男に洗脳され次々と凶悪に手を染める内縁の妻視点で進められていますが、本当に自分と同じ人間が殺人教唆されただけでそんなひどいことができるのかと、読み進めるたびに頭を悩ませます。
実際の事件ではこの2人に子どもが居るのですが、この話ではいません。この事件について興味がある方はこの本を読んでから、実録本を読むことをお勧めします。やはり、事実は小説より奇なり。ですので。