このレビューはネタバレを含みます▼
今は避暑地として国内外問わず観光客が多く集まってくる軽井沢ですが、この書籍を読むと、決して大昔から今の軽井沢の姿が存在していたわけではないことが分かります。当初は山奥のひとつの場所にすぎなかったのが、自然を愛した異国の宣教師が過ごすようになったことで紹介され、他の人々も次々と移り住んで観光業、および冷涼な気候を生かした産業が発達し、有名となった経緯があるのです。小説には内容として多少のフィクションは入りますが、これまでの軽井沢の歴史のなかで生きてきた人々にフォーカスを当てており、その意味では貴重な文学になると思います。