ネタバレ・感想ありひそやかな花園のレビュー

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テーマは重め
2024年3月24日
ネタバレにならない範囲で書くならば、ストーリーとしては重めのテーマで、現実には少しあり得ない部分もあります。
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作者の倫理観を問う。
ネタバレ
2020年7月5日
このレビューはネタバレを含みます▼ 作品内容の最後に「すべての命に祝福を捧げる物語」とありますが、違和感を感じました。

物語の中では、決して万人に祝福されて生まれてきたとは言えない、またはそうであってもだんだんうとましい存在だと思われるような、または自分自身をさげすんでしまうような登場人物それぞれが、自力で自分の存在意義を模索してこれからの人生を前向きに生きていこうとする物語であって、必ずしもいつ何時でも祝福されていて人生を歩んでいる物語ではないからです。

確かに、誰もが出生がどうであれ、自分自身の心の持ちようで、ある程度は人生が良くも悪くも感じられるとは思います。そういう意味では最終的には登場人物達は前向きになれたので、良い結末だとは思います。

ただし、結末が良くとも内容的に後味が悪いです。悪意を持って提供者になった人以外は、悪意がなかったからこそある意味被害者と加害者の側面を持つようになってしまい、そこに子供達も加わり、皆が皆加害者でいて被害者になってしまい、やるせないです。

命の尊さ、存在意義、出生の秘密、倫理観などをテーマにするにしても、わざわざこのネタでなくとも…。と思わざるをえません。
せめてもっともっと主人公達が産まれた時の場面描写を増やして「生まれてきてありがとう」アピールをして欲しかったです。ではないと、主人公達は生まれてきてはいけなかったの?という疑問が入る余地が埋まらないと感じます。
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作家名: 角田光代
出版社: 講談社
雑誌: 講談社文庫