このレビューはネタバレを含みます▼
余興として用意された犯人当てが、現実の死によって一変する——そんな不穏な幕開けから、物語は静かに緊張感を高めていく
鍵を握るのは、オリヴァ夫人が覚えた言葉にしがたい違和感
その予感が、屋敷に潜む人間関係のひずみや、長く押し殺されてきた感情を浮かび上がらせていきます
食い違う証言や見えにくい動機に翻弄されつつ、ポアロが散在する事実を丹念に結び直していく過程は読み応え十分?
華やかな催しの裏側で進んでいたのは、きわめて私的で冷酷な企て‥
派手な仕掛けに頼らず心理の機微で迫る構成が光り、終盤には静かながらも鋭い驚きが待ち受けています
ポアロとオリヴァ夫人の軽妙なやり取りも魅力的で、中期クリスティの醍醐味を味わえる一冊