このレビューはネタバレを含みます▼
名探偵ポアロのもとを訪れた謎めいた娘の一言から始まる本作は、断片的な出来事がゆるやかに積み重なり、やがて一枚の図として浮かび上がる構成の妙が光る一作
1960年代の若者文化や社会の空気が背景に漂い、晩年のクリスティーらしいやや文学的な味わいも感じさせる
今回は行動派のオリヴァ夫人が物語を軽快に動かし、ポアロの円熟した推理と絶妙な対比を生んでいる
事件の核心は一見ありふれた仕掛けに見えながら、周到に散りばめられた違和感が終盤で見事に結びつき、静かな驚きをもたらしてくれます?
派手な殺人劇ではなく、人の認識や思い込みの危うさに迫る心理的サスペンスとしても味わい深い作品