京都の宵山(私は無知なもので、祇園祭の前夜祭の事らしいのですが、この本を読んで初めて知りました)での出来事がオムニバス形式で語られています。各話で語りべが変わりそれぞれで話が一段落しますが、ちょっとづつ登場人物や出来事が重なっていて、読んで行く内に「あれそういう事だったのか」がどんどん出てきて、最初想像していなかったその夜の全体像が出てきて面白かっです。夏に京都に祇園祭にと怪しくも賑やかな雰囲気の中、どきどきワクワクの傍らから不思議と不安、恐れが常にチラチラと顔を出し、飽きる事なく最後まで読めました。