このレビューはネタバレを含みます▼
三浦主水正とつるの夫婦の関係が、作品の後半つまり下巻で一定以上の紙面を割いて描写しているところも注目点です。
作品前半ではつるの身分意識による上から目線や勝ち気な部分が強かったのですが、後半ではツンデレといってもいい変化を夫の前で自然に示すようになり、夫婦の夜の営みも具体的に示されていき、ついにはつるの口から子供が欲しい旨の意思表示が出るとは。上巻から読んでいる者として、その変貌ぶりに内心驚きを禁じえません。
様々な人間ドラマが複合的に表される本作品において、
あえて焦点を当てて読めるポイントだと思います。