ネタバレ・感想あり自縄自縛の私のレビュー

特殊な性癖の持ち主を主人公に女性が執筆した作品、という点だけに着目して読みました。
いわば不真面目な男性読者です。
でも、一気に読めました。
女性ならではの感覚で書かれてるんだろうな、と思いました。
細部へのこだわり、じぶんがどう感じたか？を大切にする気持ち、生きていくうえでだれもが抱えるストレス、そのなかでひとに知られたくない行いに向かう気持ちのゆらぎのようなもの・・・
そういったことが丁寧に描写されていて、なんだか不思議なリアリズムを感じました。
主人公はけっして立派なひと、高潔な人という枠組みではありませんし、なにより主人公自身がいろんな迷いのなかで生きているのだけれど、なぜかこんな人生もアリだよね、と思えました。
作品の根本にあるのは人に対する優しさのようなもの？かも。