著者の初期作品に分類されようが、ちょっとこれはいただけない。18歳の女子大生が高額の報酬にひかれて素性も定かでない老人の居住する屋敷に住み込みでバイトに入るが、待っていたのは若い女には受け入れがたい性冒涜のオンパレード。とても書き切れないし、文字もシーモアのコードに引っかかるような記すも憚られるプレイの連続。犯罪だっつうの。流石に現実離れしていて感情移入できない。シーモアのあらすじ書きでは、米国駐在のはずの主人公の彼氏が屋敷にいた、とあったが、やなぎやこの想像と大きく異なるかたちでの再会。これも含めて後味悪い。主人公はありとあらゆる責めを受けるが、作品全体がまとまりを欠き、詰め込み過ぎの印象。いかな高級料理でも、寿司やケーキをごった煮で出されて美味いと感じる向きはあるまい。