ネタバレ・感想あり星々の舟のレビュー

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ネタバレ
2024年8月2日
このレビューはネタバレを含みます▼ タイトルにひかれ、よみました。こころに残るようなシーンがおおく、たのしくよむことができました。家族や、愛情、人間関係などについて、かんがえさせられるような作品だとおもいました。
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暗闇の中で光を探す物語
2023年11月26日
実際にこんな家族がいるかと言えば、いないだろうなとは思います。ただ、各章に分かれた一人一人の人物造形や心情にはリアリティがありました。立場や性別の違う人々の個性を、文章のみで明確に鮮やかに描き出せているところが凄い。痛いところは痛く、汚いところは汚く、綺麗ごとばかりではないけれども救いがある。フィクションだと残酷になり過ぎたり、絵空事になってしまいそうなところで、その中間くらいの着地にする匙加減が絶妙でした。不倫やいじめ、恋愛や性被害といった身近なテーマで、自分が当事者であったならきっとそう思ってしまうだろうという表現力、描写力が圧倒的で秀逸。読めば読むほど作品世界に引きずり込まれ、没入していきました。いじめの描写を読むのは辛かったですが、あれはあの程度で済むものなのか…少し控えめにしたのではないかという気がしました。終盤の慰安所での出来事については賛否が分かれると思いますが、政治的な問題はさておいても読みごたえのある物語でした。
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読後に涙がジワリと溢れてきます
2018年2月1日
作家さんのファンで他の作品もいくつか読ませてもらってますが、この作品は特に好きです。
美しい文章で、官能的なお話が多い作家さんですが、このお話は官能的というよりも、家族一人一人の思いや葛藤を深く掘り下げた内容のお話です。
それぞれが遣る瀬無い思いや悩みを抱えながらそれでも直向きに生きていく姿に心を打たれます。
どこにでもある普通の家族にもそれぞれにいろんなドラマがあって、切なさを抱えながら生きる中に確かな感動や喜びがある事を実感できます。
じっくりと読めるお話なのでお勧めです。
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作家名: 村山由佳
出版社: 文藝春秋
雑誌: 文春文庫