このレビューはネタバレを含みます▼
四肢麻痺という絶対的ハンデを背負った科学捜査の巨人リンカーン・ライムを中心に、本作は「動けない探偵」という設定を逆説的な推進力へと変換してみせる
犯人が残す痕跡は謎解きの装置であると同時に、読み手の神経を削るカウントダウンでもあり、物語は常に緊張の臨界点を保ったまま疾走します
緻密な鑑識描写は情報過多に陥る寸前で巧みに整理され、専門知識を娯楽へと昇華させる手腕はさすがの一言
ライムとアメリア・サックスの関係性は甘さに流れず、信頼と摩擦が静かに積み重なっていく点が物語に人間的な奥行きを与えていて👌
そして終盤、読者の理解そのものを揺さぶる二重三重の転回が用意され、単なる連続殺人サスペンスに終わらない強度を獲得
シリーズ第一作にして完成度は驚くほど高く、ここから続く長い旅路への期待を否応なく掻き立てる一作