このレビューはネタバレを含みます▼
ニューヨークを離れ、湿地帯に囲まれた地方都市を舞台に展開する本作は、シリーズに新鮮な緊張感をもたらす転換点となっている
物証を絶対視するリンカーン・ライムと、人の言葉と直感を信じようとするアメリア・サックス――両者の価値観が真正面から衝突し、物語は単なる捜査劇を超えた心理戦へと深化する
一見単純に見える事件構図は、読み進めるほどに足場を崩され、信じるべきものが揺らいでいく感覚が心地よい👌
後半の展開はまさに息つく暇もなく、自然環境を活かしたサバイバル的緊迫感と、ディーヴァー十八番のどんでん返しが容赦なく畳みかけてきます
タイトルが示す「空席」の意味に辿り着いたとき、物語だけでなく二人の関係性の変化にも静かな余韻を覚える一作