このレビューはネタバレを含みます▼
リンカーン・ライム・シリーズ第4作は、科学捜査スリラーに移民問題と異文化摩擦を重ねた、シリーズ中でも社会性の濃い一篇
沈没船という極限状況から始まる捜査は、見えない敵“ゴースト”の不気味さを際立たせ、追う側の焦燥を容赦なく煽る
どんでん返しの多重構造は過去作より抑制的だが、その分、物語は直線的な緊張感を保ち、終盤の疾走感は圧巻👌
中国人刑事ソニー・リーの存在が、物語に倫理と人間味の揺らぎを与え、冷徹な知の世界に温度をもたらしている点も見逃せません
派手さよりも構造美とテーマ性で勝負した一作であり、シリーズの懐の深さを静かに証明する巻と言えます