藍川京作品の愛読者のやなぎやこ。本書のトップを飾る氏の「狐の嫁入り」につきレビューします。主人公はバーのママで、水商売ながら身持ちの堅さを自負している。で、結局は客の男とデキて躰を開くのだが、作品の出来という点では、やや間延びしたものとなっている。絡みのシーンは長くとっていて、性愛小説のファンにとっては高いポイントとなろうが、それでも単調という評価は免れまい。このアンソロジーの題名は「戯(そばえ)」。これが短編の中では「日照雨」と書いて同じ読み、転じて同じ天気雨を指す「狐の嫁入り」について男女が言葉を交わす場面が出てくるが、これも取ってつけた感あり。さて一冊のアンソロジーに対する見方であるが、他の著者の作品を読んでおらず評価資格なし。ニュートラルの意味で星3つとする。