このレビューはネタバレを含みます▼
終盤くらいまで杳子の人物像があやふやでした。目標?はご立派だけど言行不一致なことが多く、そのくせ他人へ評価が辛辣。青爾への想いも綿々と綴っているほどには自分からは行動しておらず、不思議な感じでした。
これは独白でも日記でもなく自分だけの思い出を書き留めた物だという設定を思い出し、それを念頭に読み直してみるとやっとこの小説を楽しめました。
杳子、青爾、美夜という名前もよく考えてあると思います。名は体を表すとはまさにその通りでした。
青爾と杳子の生き方を船で例えたくだりが1番印象的でした。
翔子がこれを読んだ後の気持ちが知りたかったなと、少し残念に思います。