このレビューはネタバレを含みます▼
政治家の過去を取材する仕事が、ひとりの失踪者を追う旅へと変わっていく
取材で得た情報が次の疑問を呼び、広瀬自身の過去まで物語に絡んでくる
社会の裏側を描きながらも、中心にあるのは「人は誰かをどこまで求められるのか」という切実な感情‥
香奈という存在を追うほど、事実と想像の境目が曖昧になっていく構成も印象的
後半では事件の背景が大きく広がり、単純な失踪事件では終わらない奥行きを見せる
そして終盤に待つ結末は、ここまで積み上げてきた物語の意味を一変させるほど苦い‥
社会派サスペンスとしての読み応えと、ひとりの男の心情を描くドラマがうまく重なった、堂場作品の中でも異色の一作