このレビューはネタバレを含みます▼
池波正太郎のエッセイは、単なる人生訓ではなく、「どう生きるか」という問いを日々の営みへ引き寄せて語るところに真価がある
食事や旅、散歩といった身近な題材を通じて、自分自身の歩幅で暮らす大切さを説く筆致は、実に含蓄深い
とりわけ印象的なのは、死を人生の対極ではなく、その輪郭を与えるものとして見つめる視線
便利さに満ちた現代だからこそ、本書の価値観は古びるどころか、むしろ鮮明に響きます‥
流行や他人の尺度に左右されず、自らの時間をどう使うのか――その問いを読者へ穏やかに差し出す一冊
人生の味わいを知る人の言葉だからこそ、何気ない日常の尊さが深く胸に残る