舞台となっている町の人々の善意とか、素朴な温かみが読んで心地よかった。
私も子を産んだとき、この子の幸せを確信するまで死ねないと思ったものだ。リビーの生還はだから胸が震えるような感じがした。ハーレクインだから、絶対助かるんでしょ?、と信じて読めた。
私はハーレクインを、ほとんど活字で読むことはない。少女漫画好きな私にはコミカライズで楽しむ方が合っている。
しかし好奇心で立ち読みし、そこだけで涙を絞り取られて、ヒロインが助かる筈だから読み通そうと却ってその気になった。
サミーが前半の主人公。ヒロインが事故に遭う序盤で覚悟していたのに、それでも相当辛い。涙で鼻詰まりと、その鼻が詰まりながらの鼻水垂れで、買ったのを後悔しそうになりながら、ひたすらサミー父登場を待つ。
メイン二人のシーンはこれといって、ロマンス風味に工夫は感じなかった。
この話はロマンスを読むつもりにならないでいた方が味わえる。
ケイトとその孫二人、そしてハワード。
素晴らしい人たち。他にも素敵な人間関係が溢れている。
それにしてもハーレクインの事故率高い。よく身内が命を落とす。そしてシングルマザーが多い。でも幸せになる話は大歓迎だ。
スウィートハートは、まだしも、ベイビーの呼びかけは、それも数回もあったりすると、読んでいて女性を大人扱いしていない気分がしてきて、私は余りいい気分ではない。確か洋楽の歌詞も、今は自粛している語だと思うが?
懐かしいデイリークイーンの名前をここで目にするなんて夢にも思わなかった。数十年前の日本上陸店(唯一?他に見かけないまま閉鎖)に校則で下校後入ることが叶わなかった古い記憶に、心が時間を駆け巡り、8年間の空白を繋げた登場人物達の動きに動かされたみたいな気分にもなった。