このレビューはネタバレを含みます▼
世紀末のワシントンを舞台に、文字という静かな証拠が大量殺戮のカウントダウンと真正面から対峙する、異色にして王道のサスペンス
筆跡鑑定という地味になりがちな題材を、ディーヴァーは容赦ないタイムリミットと連続ツイストで強烈なエンタメへと昇華させる
犯人死亡という早すぎる幕切れが、むしろ物語を制御不能の領域へ押し出す構造は見事?
家族を守る父としての顔を持つパーカー・キンケイドの内面描写が、冷酷な犯罪劇に人間的な温度を与えているのも好印象
終盤はやや力技を感じさせつつも、読み手を最後まで翻弄する手腕はさすが“どんでん返しの魔術師”
荒削りでありながら、ディーヴァーらしさが濃縮された一冊