このレビューはネタバレを含みます▼
ジェフリー・ディーヴァーという作家の本質が、「どんでん返し」ではなく構造設計の精度にあることを改めて思い知らされる短篇集
16編すべてが、読者の思考を一歩先へ誘導し、最も油断した瞬間に静かに足元をすくう
短篇ゆえ展開は簡潔だが、人物造形や状況設定は驚くほど密で、軽さよりも“切れ味”が際立ちます
リンカーン・ライム登場作に代表される、微細証拠と論理の積み上げはシリーズファンへの確かなご褒美
一方で、続けて読むと作家の癖が見えてくるのも事実だが、それすら職人芸として楽しませる余裕がある?
恐怖、皮肉、ブラックユーモアが均衡を保ち、読み終えるたびに小さく唸らされる一冊